「中学から不登校になったけれど、高校には行きたい」「全日制は難しいけど、高校卒業の資格はほしい」そんな思いで通信制高校を選ぶ人は多くいます。しかし実際に通ってみると、「思っていたのと違った」「サポートが足りなかった」と後悔することも。今回は、中学時代から不登校になったお子さんを持つお母さまに、鹿島学園高等学校/サポート校KG高等学院への編入を決めた理由、そしてその後の体験をうかがいました。中学から不登校に——「それでも高校には行きたい」という希望中学3年生の頃、子供が精神的に不安定になり、体調も崩してしまいました。朝になると「とにかく行けない、具合が悪い」と理由も説明できず、ただ学校に行けない毎日が続きました。そして高校は本人の希望で私立高校に入学したものの、高校1年生の6月には再び学校に行けなくなってしまいました。通信制高校への編入を検討した理由と決め手そのとき考えたのが通信制高校への編入でした。パンフレットを一括で取り寄せ、実際に話を聞きに行ったのは鹿島学園高等学校をはじめ、東海大学付属望星高等学校や目黒日本大学高等学校 通信制過程。ただ、タイミングの問題で受け入れてもらえなかった学校もあったといいます。鹿島学園高等学校/サポート校 KG高等学院に決めた理由は、家から近くの学校であったという現実的な点に加え、担任の先生が心理カウンセラーの資格を持っていて安心できる相談環境があったこと。「学校に行きたいと思ったときに行けるように」という柔軟な通学スタイルも一つの決め手でした。実際に通ってみて感じた壁と孤独子どもは高1の7月に編入してから高2の3月まで在籍していました。しかし実際に学校に足を運べたのは数えるほどしかなく、自主退学を考えたそうです。アルバイトには行けており、ガソリンスタンドや飲食店などで接客をこなし、3つも掛け持ちするほど頑張っていました。お母さまは「学校という『場』がとにかく苦手で通学できなかった」とおっしゃっています。学習面の様子は、定期テストでは、テスト会場が最寄りの会場でなく、家から遠い会場になってしまい、距離的にも心理的にも負担が大きかったこと。また自宅学習も最初からあまり進まないことからレポートもなかなか提出できない。学校から届くのは事務的なLINEや郵送物だけで、保護者には郵送で書類が届くのみという状況でした。サポート体制の現実と「つながりのなさ」への戸惑いサポート校であるKG高等学院では、運営の中でも指導は基本的には一人の先生が担当しており、対応時間も平日の朝から昼過ぎまでと限られていました。お母さま自身も「忙しそうで、こちらから相談する雰囲気もないし、相談したとしても相談に乗ってくれるような感じでもないと思ってしまった」といいます。また、・先生と保護者が気軽にやり取りする仕組みがない・保護者同士がつながれる場もないといった「つながりのなさ」が大きな不安につながったと話してくれました。また、同級生との交流については、ネットやアプリでコミュニケーションできる仕組みはなく、学校に登校しないと友人ができない環境であったといいます。ディズニーランドなどの遠足もあったものの、子どもははずっと一人で行動していて、友達が作りやすい場づくりや先生が間に入ってフォローするような動きも特になかったとのこと。「学校に行きたくなるような工夫や、自宅学習を進めるサポートがもっとあったら……」と振り返っています。最後に退学を選んだときの思い結局、子ども自身から「卒業もできないし、進級もできないから辞めるよ」と話があり、退学を決めました。「親としても『もう十分頑張ったよ』と受け入れるしかなかった」とお母さまは言います。それでも「通信制高校に通う間だけでも、高校生という立場でいられたことはありがたかったはず」とも振り返りました。同じ境遇の方へのアドバイスもっとネット完結型の学校を最初から選べばよかったのかもしれません」とお母さま。・通わなくても学びを続けられる仕組み・先生や保護者と日常的に連絡が取れる仕組み・生徒同士が安心してつながれる仕組みそうした体制があれば、孤独感が和らぎ、勉強も続けられたかもしれないと言います。通信制高校を検討している方へ通信制高校は「行きたいときに行ける」という柔軟さがありますが、それは同時に「誰ともつながらないまま孤独になる」というリスクと隣り合わせでもあります。説明会やパンフレットではわからない部分も多いので、・学校に行けないときのサポートはあるか?・保護者や生徒がつながれる場はあるか?・学びを続けるための仕組みがあるか?をしっかり確認してほしいと、この体験談を話してくれたお母さまは言います。「うちの子だけじゃないのかな……」と思っている方こそ、こうした声を知っておいてほしい。それが、子どもに合った学校を選ぶ一歩になるかもしれません。