通信制高校に興味はあるけれど、卒業後の進路に不安を感じている方は多いのではないでしょうか。今回は、第一学院高校に転入した学生の体験談をもとに、通信制高校に転入するという選択肢のリアルをお伝えします。全日制高校のしんどさを感じていた彼女が、通信制高校でどのように学び、成長していったのか。第一学院高校での学校生活やその後の進路選択について、紹介します。全日制高校で感じたしんどさと転校の決意群馬県出身の彼女は、私立のマンモス校に通っていました。13クラスほどある大規模校で、生徒には大学進学を強く期待するような空気がありました。しかし、彼女自身は専門学校への進学を考えており、そのズレが息苦しさを生んでいました。さらに、中学校は1学年70人程度の小規模校だったのに対し、高校は1学年500人規模という大きな環境の変化も大きな負担になりました。もともと集団で何かをすることが苦手だった彼女は、人が多いなかで気を遣うのも辛く、学校に縛られる感じが苦手だったといいます。そんな中、祖父母が亡くなったことも起因して高校2年生の5〜6月頃には学校に通えなくなり、「このまま卒業できないかもしれない」という不安を抱えるようになりました。しかし、高校2年生の10月頃、このまま卒業できなかったらどうしようと危機感を覚え、通信制高校への転校を決意しました。きっかけは、同じ地元の友人が先に第一学院に転入しており、「先生が親身に相談に乗ってくれる」と話してくれたことでした。全日制高校では頼れる先生がいなかった彼女は信頼できる先生がいるならと考え、友人の体験談をもとに第一学院を選びました。その中で通信制高校を卒業した後の進路選択については不安を感じていました。しかし、今まで通っていた全日制高校に通わなくてもよくなるという解放感が大きかったといいます。通信制高校で見つけた自分のペースという安心感第一学院高校への転入後、彼女が感じたのは「自由で安心できる環境」でした。第一学院では週5日通学していましたが、しんどい日は休んでも大丈夫という空気間でした。実際に月に1〜2回程度は休むこともありましたが、基本的には気楽に楽しく通えたといいます。学校には決まった始業時間や終業時間がなく、自分の生活リズムや体調に合わせて通学できます。例えば、受験期でないときは朝10時頃に登校して午前中で帰る日もあれば、受験が近づくと9時に登校し、夕方まで学校で勉強することもありました。また、授業も必ず出席する必要はありません。英語だけ苦手意識があったので英語の授業にだけ参加する、といった形で、自分に合った学び方を選べました。学校での学びは映像授業やプリントを使っていました。3泊4日の本校へのスクーリングに関しては、スクーリング前にスクーリングの教材をこなしていれば問題なく単位は取れたそうです。先生の「親身さ」が支えてくれた日々転入する前の全日制高校では担任の先生にさえ気軽に相談できる雰囲気がなかったといいます。しかし、第一学院では先生の方から「明日面談しようか?」「最近どう?」と定期的に声をかけてくれました。特に転校直後は環境に慣れることが大変でしたが、先生の声かけが安心感につながり、「ここでなら頑張れるかも」と思えたそうです。進路に悩んだときも、相談にのってくれ、親身に話を聞いてくれる先生がいました。進路選択についてもともとデザインやモノづくり系の専門学校への進学を考えていましたが、第一学院で学びながら、「専門学校で詰め込みで2年で卒業するのはしんどいかも」と考えるようになりました。そして、大学進学を目指す方向へと進路を変えました。受験勉強は学校が提携している塾の教材や映像授業を使い、学校で学習を進めました。最終的には、帝京平成大学へ進学しました。学びたいことであれば、時間的拘束も苦にならないと言い、4年間で卒業することができました。通信制高校を考える人へのメッセージ「通信制高校に行ったら進路が閉ざされるのでは」と不安に思う人もいるかもしれません。しかし、通信制高校の中で自分のペースで学習を進めて、進路を切り開く学生は多くいます。通信制高校のなかでも学費や通学スタイル、先生の雰囲気などは学校によって違うので、しっかり調べることが大切と彼女はいいます。また、転入の際には保護者だけでなく、彼女自身も学費について通信制高校の職員から説明を受け、「自分にどれくらいお金がかかっているのか」を理解したうえで通う決断をしたそうです。そして「全日制高校でしんどさを感じているなら、通信制高校も一つの選択肢として考えてみてほしい」と彼女は振り返ってくれました。