「この子に合った環境を見つけてあげたい」小学生の頃から友人関係や勉強面に悩みを抱え、不登校気味だったお子さん。支援級への進級や、発達障害(ADHD)の診断をきっかけに、家族は「本人の特性に合った教育環境」を探し続けてきました。中学卒業後に選んだのは「通信制高校」。最終的に進学を決めたのは、令和さくら高等学院でした。支援学校や定時制高校、通信制高校をいくつも見学する中で、お子さん自身が「ここに通いたい」と初めて自分から言った学校でした。発達障害の息子にとって、“合う学校”を選ぶということ息子はもともと小学2年生から不登校気味になり、カウンセラーに相談したところ、「一度診断を受けた方がいい」と勧められました。そして小学4年生の時に発達障害と診断されました。中学校では支援級に在籍しましたが、支援級では成績がつかないため、通常の高校への進学は難しい状況でした。そこで候補に挙がったのが、定時制高校、全日制の支援学校、そして通信制高校でした。通信制高校を選んだのには明確な理由があります。支援学校や定時制高校には「障害のある子が行く場所」というイメージがあり、本人が通いたいと思えなかったのです。お母さまも、「自由に通えるフリースクールのような場所が理想」だと考えていました。一時は明星義塾高等学院も検討しましたが、「障がい者のための学校」という印象が強く、本人は乗り気ではありませんでした。最終的に、発達障害の特性を理解しながらも、多様な生徒が通う令和さくら高等学院に進学することを決めました。お子さんは年齢を重ねるにつれ、注意欠如・多動症(ADHD)の特性がより明確になっていきました。そのため、「ADHDに対して型にはめた支援ではなく、柔軟に対応してくれる」という点が、令和さくら高等学院の大きな魅力でした。「自由」だからこそ難しい自己管理令和さくら高等学院では、週4日通学が基本ですが、お子さんは週2~3日のペースで通っていました。学校は全日制に近いスタイルで、朝から夕方まで授業がありますが、息子は決まった時間に登校して授業を受けるスタイルが苦手でした。そのため学校側が配慮してくれて、登校時間は11時頃、帰宅は早いと16時台というスケジュールで通っていました。お母さまは、「開始時刻や終了時刻は決まっていても、遅刻扱いにはならず、途中からの登校が認められていたのは助かりました」と振り返ります。とはいえ、「自由だからこそラクとは限らない」と実感したこともあります。自分のペースで学習できる反面、学年末には単位がギリギリになることも。先生方の手厚いサポートのおかげで卒業には至りましたが、「本人が自分で学習を管理する力」はあまり育たなかったかもしれないと感じています。通学の時間にも厳しいルールがなかったことは、逆に言えば「本人のペースに寄り添いすぎた」とも言え、将来的な社会生活を見据えると時間管理や自己管理が身につきにくい面もあったといいます。「自分のペースで通える」メリットの裏には、「自己管理の難しさ」が確かにある──入学前から懸念していた「自主性が育つかどうか」という課題に、実際に直面することになりました。令和さくら高等学院での生活お子さんは通信制高校に通いながら、アルバイトにも取り組んでいました。アルバイト先では社交性を発揮する一方で、学校という「集団の場」は苦手だったそうです。仕事では物覚えがよく、業務も問題なくこなせた一方で、場の空気で動くことは苦手でした。単位取得のための自宅学習も行っており、学校で学びきれなかった分を家で補っていました。学校では先生がマンツーマンで教えてくれ、詰め込む形で単位を取得していったそうです。個別サポートが充実していて、先生はお子さんの状況をよく見て、適切な声かけをしてくれました。親ではなかなか築けない距離感で、お子さんとコミュニケーションを取ってくれていたのです。頭ごなしに叱るのではなく、理由を丁寧に説明し、納得できるまで向き合ってくれました。また、先生からの「褒め」はお子さんの大きなモチベーションになっていました。親が何を言っても響かないことも、先生の言葉なら素直に受け入れられたこともあったそうです。就職活動の際には、遅刻しがちな息子のために、面接先まで先生が付き添ってくれたり、面接当日の確認の電話をしてくれたりと、非常にきめ細やかなサポートがありました。面接用の写真を一緒に撮りに行くことまでしてくれたそうです。「ここまで寄り添ってくれる学校は、なかなかないと思います」。卒業式では先生が涙ながらに息子を褒めてくださり、親としても胸が熱くなりました。行事参加を通じて得た「社会性」学校行事も、息子にとって大きな魅力でした。季節ごとにイベントがあり、準備や運営に関わることで、協調性や社交性を少しずつ身につけていったように思います。ただ、親には「学校でどんなことをしているのか」という情報があまり共有されなかった点については、改善の余地を感じたそうです。卒業後は就職の道へ──飲食業界へ進む息子さんは当初から大学進学は考えておらず、高校在学中から就職一本で考えていました。居酒屋でのアルバイトが楽しく、接客にも前向きだったことから、最終的には地元の岐阜近辺の飲食店ではなく、名古屋市内の飲食店にキッチンスタッフとして就職しました。「もっと広い世界を見てみたい」という本人の希望で、バイトを続けていた店ではなく、新しい職場を選びました。通信制高校を検討している保護者の方へ最後に、お母さまから同じ境遇にいる保護者の方へのメッセージをいただきました。「選ぶ学校によって、子どもの人生は大きく変わります。発達障害の特性をどこまで理解してくれるか、逆にどこからは本人の努力に任されるのか、とにかく納得いくまで聞きまくるしかないです。中学校の先生には『選択肢は3つしかない』と言われましたが、実際にはもっとたくさんありました。保護者同士の口コミも有効ですが、募集が終わっていた学校もあったので、幅広く、そして早く深く調べることが本当に大切だと実感しました」最後に令和さくら高等学院での3年間を通じて、お子さんは自分らしく学び、社会に出る準備を整えることができました。「この子は、どこなら通えるのか?」「この子が、自分らしく卒業できる場所はどこか?」そう問い続けて選んだこの学校。振り返ってみて、「この学校に入って本当に良かった」と、心から思っています。