部活をやめて学校に行きづらくなってしまった彼は水戸平成学園高等学校への転入を機に再び前を向きました。模試も塾も頼らず、自分のペースで学び、法政大学に合格。通信制高校が、「寄り添う教育」で人生を支えた体験談です。部活動をやめたことで生まれた「居場所のなさ」 息子さんが高校を転校することになったのは、高校2年生の2学期のことでした。もともと彼は特色選抜で野球部に所属するために全日制高校へ入学しましたが、部活動を途中で辞めてしまい、学校に居づらくなってしまったといいます。部活中心の学校生活の中で、部を離れた生徒が孤立することは珍しくありません。彼もまた、自分の居場所を見失い、次第に学校に行きづらく感じるようになりました。 「焦って転校先を探すよりも、本人が自分で決断してくれたらと思っていました」とお母さまは振り返ります。単位の引き継ぎがあるため、できるだけ早く動いた方がよいことは分かっていましたが、最終的にどんな高校生活を送りたいかは息子さん自身の選択に任せたといいます。 そんな中、本人がインターネットで見つけたのが水戸平成学園高等学校でした。もともと大学進学を目指していた彼にとって、進学実績が高い点が1番の魅力でした。距離の面で通学が可能な学校であることも決め手の一つ。N高のようなオンライン完結型の学校も候補に上がっていましたが、「できれば人と関わりながら通える環境がいい」と考えたそうです。面接で感じた「受け入れてもらえる」安心感 入学を決める際の面接で、息子さんは大きな安心感を得たといいます。「前の学校ではよくない扱いをされていたのですが、水戸平成学園高校の先生は真逆の対応でした。受け入れてもらえて救われました」とお母さま。自分のペースで通える安心感と柔軟な学び 転入後は、週の半分以上通学する生活が続きました。決められた回数の授業を受講できれば毎日行っても、1日しか行かなくてもよかったので本人の体調や気持ちに合わせて通学日数を調整できました。3年生になると大学受験に向けて学習スタイルを変え、登校日数を減らしましたが、先生方はその変化を柔軟に受け入れてくれました。 「大学に行かなきゃという焦りがあっても、先生たちは『あなたのペースで大丈夫』と常に寄り添ってくれたんです。予備校のように個別対応で、精神的な負担が少なかったです」とお母さま。授業の時間割も自由度が高く、全日制のような一斉授業ではなく、自分に必要な教科だけを集中して学ぶことができました。行事も単位に関わるものだけに出席すればよく、息子さんは「自分のやるべきことに集中できる高校生活」を送れたといいます。模試を受けないという「選択」を尊重してくれた先生たち 印象的だったのは、息子さんと同じように水戸平成学園高校に転校した妹さんの「模試を受けない」という決断を、学校が尊重してくれたことだといいます。「完璧な状態じゃないのに模試を受けるのは意味がない」という本人の考えを、先生は否定せず、むしろ「新しい考え方だね」と理解してくれたそうです。その後、息子さんが大学に合格した際、先生が「模試を受けなかったことのメリットを教えて」と尋ねてくれたことも印象に残っているといいます。「ただ許すだけじゃなくて、子どものやり方から学ぼうとしてくれる先生方に感動しました。」 全日制高校では“みんなと違うこと”が悪いことのように扱われがちですが、水戸平成学園高校では「一人ひとりの違い」が尊重されていました。お母さまは「通信制高校って、こんなにも丁寧に生徒に向き合ってくれる場所なんだ」と感じたそうです。心の余裕が生まれたことで、息子さんも学習に集中できるようになり、学習に集中できるようになっていきました。塾に頼らず、自分で学ぶ力を育てた日々 水戸平成学園高校には提携している塾があり、大学進学クラスの生徒はその塾に通って大学受験対策を行うことになっています。息子さんも一度は通ってみたものの、「自分には合わない」と感じて退塾。その後はYouTubeやオンライン教材を活用し、独学で受験勉強を進めました。 得意科目を自分で作り出し、情報を自ら集めながら勉強を進める姿勢は、妹さんにも良い影響を与えたといいます。「妹も塾に通わず、兄と同じように自分で勉強を進めていました。二人とも、主体的に学ぶ力が身についたと思います」とお母さま。そして法政大学へ。「焦らず進む」ことで見つけた自分の道 受験シーズン、息子さんは模試の代わりに國學院大学を受験し、その経験を本番への練習にしました。結果的に、最後に受けた法政大学に見事合格。 「もし受からなかったら浪人すればいい」と、落ち着いた気持ちで受験に臨んでいました。 大学では「やるときはやる、遊ぶときは遊ぶ」という仲間に囲まれ、充実したキャンパスライフを送っています。「高校時代はいろんなものを捨ててきた分、大学で青春を取り戻している感じです。能力的にも環境的にも、今がちょうどいいバランスなんだと思います」とお母さまは笑顔で話します。通信制高校で得た「自分に寄り添ってもらえる」経験 「他の高校に通っていたら、こんな結果は出なかったと思います。水戸平成学園高校を選んで本当によかったです」とお母さまは語ります。最初は通信制高校に対して不安もあったものの、先生方の温かい対応や柔軟な教育姿勢が、親子にとっての安心につながったといいます。 息子さんは大学進学後、「高校なんて、どこでもよかった」と話すことがあるそうです。「いづらい環境にしがみつく必要はありません。目標さえあれば、通信制高校でもしっかり進学できます。 むしろ、少ない労力で高校を卒業して、余った時間を大学受験に使える。大学を目指す人ほど、通信制を選ぶメリットは大きいと思います。」 柔軟な学びの形を選び、自分のペースで歩み続けた息子さん。その経験は、これからの人生でも“自分らしく挑戦する力”となって生きていくことでしょう。