中学時代に不登校を経験した生徒が、通信制高校「N高」に進学し、自分らしい学び方を見つけていった実体験とその中でのN高のリアルな口コミをご紹介します。グループワークや企業部での活動を通して、コミュニケーション力や主体性を育んだ3年間の記録です。不登校から通信制高校へ:N高を選んだ理由中学3年生の12月、彼は人間関係や勉強のストレスから不登校になりました。高校受験が迫るなか、一般の高校を受験する気力は残っておらず、精神的にも勉強に向き合う余裕がありませんでした。そんなときに出会ったのが、通信制高校の存在でした。当初は地元にあるいくつかの通信制高校を候補として検討しましたが、どれも勉強メインという印象が強く、当時勉強に向き合う余裕がない中で心が惹かれることはありませんでした。一方で、N高は「通信制高校でありながら、プロジェクト型学習(PBL)やグループワークに力を入れている」という点が大きな特徴でした。勉強を強制されるのではなく、自分のペースで学べること、そしてグループワークが好きだったため仲間と協働しながら成長できることに魅力を感じ、入学を決意しました。2019年4月、彼はN高等学校の心斎橋キャンパスに週5コースで入学します。入学当初の戸惑いと、想像を超えた出会い入学前、通信制高校には「人との関わりが少ない」「コミュニケーションが苦手な生徒が多い」といったイメージを持っていました。特に当時VR入学式が話題になっており、「本当に大丈夫なのか」と半信半疑だったそうです。しかし、実際に入学してみると、その印象は大きく覆されました。周囲には、起業を目指す生徒やエンジニア志望の生徒など、個性的で刺激的な仲間が多く集まっていました。単に「勉強をする場所」ではなく、「将来に向けて挑戦する仲間と切磋琢磨できる環境」がそこにあったのです。当時200人ほどの生徒が心斎橋キャンパスに通っており、友人同士固まったグループがありました。先生方は堅苦しさがなく、フランクに話しかけてくれるため、どのような相談もしやすい環境だったといいます。学習環境については、集中できる環境が整っていたそうです。先生が学習中は静かな雰囲気づくりをしていたり、他の友人も真面目に学習に取り組んでいました。N高の学習の中心となるのは、レポートの提出です。レポートを終わらせると自分の自由な時間が増えるため、彼は早い段階で全ての課題を終わらせ、自分の興味のある活動に打ち込んでいました。「4月の時点で1年分のレポートをすべて終わらせた」と語るように、入学前に期待していたように自分の好きなペースでレポートに取り組むことができました。 成長のきっかけとなった「企業部」と「Nプロジェクト」N高で特に印象に残っているのが、企業部での活動です。企業部では、実際に高校生がビジネスプランを考え、書類選考や面接を経て選ばれたチームが企業部として活動できます。当時は約100チームの応募の中でたった14チームしか選ばれず、かなり競争が激しいものでした。企業部の活動では、起業家の講演を聞いたり、ビジネスの基礎を学ぶ講座を受けたりと、実社会とつながる機会が多くありました。報告会では、実際の企業関係者を前にプレゼンを行う場もあり、高校生ながらビジネスの最前線を体感することができました。この経験を通じて、彼は「人前で話すことへの抵抗感がなくなった」と語ります。もともとはイベントの運営などに積極的に関わるタイプではなかったものの、挑戦を重ねるうちに自信がつき、人前に立つことを楽しめるようになったのです。また、Nプロジェクトなどの学校内活動でも、多くの仲間と協働する機会がありました。PBL(課題解決型学習)を通して、コミュニケーション力やビジネススキルを実践的に磨くことができたことは、N高で得た最大の財産の一つだといいます。大学受験と、その後の進路高2の1月、彼は一般受験で大学を目指すことを決意しました。「ビジネスを学びたい」「レベルの高い大学で刺激を受けたい」として関西大学の商学部を目指し始めました。大学受験のサポートについては、少し物足りなさを感じる場面もあったそうです。通信制高校の特性上、基礎的な学力を補うサポートが中心であり、難関大学を目指す生徒向けのコンテンツや講座は少なかったのです。彼自身は、個別指導塾を2か月ほど利用しましたが、自身で計画立てて受験勉強を進めようと考え、スタディサプリやYouTubeなどのオンライン教材を活用して勉強を進めました。YouTubeの大学受験の動画をもとに、模試の分析やスケジュール管理もすべて自分で行いました。最終的に目指していた関西大学の商学部に入学することができました。大学生活は通学型のため、通信制高校時代とは異なり、毎日授業に出席するスケジュールでした。しかし、「高校時代の方が規則正しかった」と振り返ります。自由度の高い環境で自分を律する経験を積んだことで、大学生活でも時間の使い方が上手くなり、主体的に学ぶ姿勢が身についていました。将来的にはIT業界、とくにWEB業界で働く予定です。 もともとインターネット上で人とつながることが好きだった彼は、「人と人をつなぐ仕事を通して、交流の輪を広げていきたい」と話しています。N高で得たものと、これから通信制高校を選ぶ人へ彼がN高で過ごした3年間は、単なる「高校生活」ではなく、「人生の価値観を築く時間」だったといいます。不登校だった中学時代からは想像できないほど前向きに成長し、多くの仲間や先生、企業との出会いを通じて、自分の可能性を広げていきました。N高に入ってよかったこととして、彼は次のように語ります。「自分の価値観を築けたり、挑戦できる友達ができたことが本当に良かった。N高に入って大正解でした。」そして、これから通信制高校を検討している人へ、次のようなメッセージを残しています。「通信制高校は家で勉強しているだけのイメージを持たれがちですが、実際にはいろんな方向に進む人がいます。もし不安でも、自分の行動次第でいくらでも挽回できます。通信制高校の時間を、自分の価値観を見つける時間にしてほしいです。」まとめ不登校から通信制高校への進学を経て、自らの手で学びを切り開いたN高での3年間。自由な環境で自分のペースを大切にしながら、挑戦と成長を重ねたその姿は、多くの生徒に勇気を与えてくれます。