今回は、東京都在住の大学生の方に、通信制高校選びの経緯やNHK学園での生活、進路のことなどを伺いました。彼女のお話から、通信制高校選びの大切なポイントについて気づくことができました。コロナ禍がきっかけで「学校に行けなくなった」彼女が学校に行けなくなったのは、中学2年生の後半からでした。きっかけはコロナ禍。人と会えない期間が続き、人と話す機会が極端に減ったことで、ストレスを感じていたということです。「自分から動かないと誰とも話せない」という状況が負担になり、孤独感も深まりました。また、「みんなと同じ全日制は合わないのではないか」という気持ちも出てきたといいます。通信制高校選び定時制高校も選択肢にはありましたが、最終的に見学に行ったのはNHK学園と飛鳥未来高校でした。決め手になったのは、NHK学園の「学校らしさ」。府中市近辺から通える通信制高校を探す中で、NHK学園国立本校を見に行きました。「NHK学園は校庭や体育館などの施設がきちんと整っていて、通信制高校によくあるビルの一角を借りているような学校とは全然違いました。また、運動会や文化祭、修学旅行など大規模なイベントがある点にも惹かれました。」全国数あるNHK学園の中でも国立市の本校だからこそかもしれませんが、特に学校の施設がちゃんとしていて、普通の高校の雰囲気があることが安心材料になりました。実際の通学スタイルと学校生活全日制高校からNHK学園に転入した後の実際の生活はどんなものだったのでしょうか。学校生活について伺いました。「週3日通学コースを選び、残りの2日は自宅学習の時間にあてていました。毎日決まった時間に行くわけではなく、早くても登校は10時だったので朝の通勤ラッシュを避けられて楽でした。」通学コースとのことですが、授業についてはいかがだったのでしょうか。「授業は全日制と同じように先生が黒板の前で教えてくれる形式でした。わからないところも先生に聞けば親身になって教えてくれました。動画教材はNHK高校講座が使われていますが、ポイントがまとめられていて学習しやすかったです。」単位取得のために必要なレポート学習は大変だったのでしょうか。「レポートは通信制高校なので量はそれなりにあったけれど、動画を見れば問題なく進められる内容で大きな負担にはなりませんでした。」また、必須の学習を終えた後は、自分の興味ある服飾やハンドメイドの活動に時間を使うことができました。学校行事と友達づくり通信制高校のなかでも、NHK学園は学校行事が豊富で、友達を作るチャンスも多かったそうです。「週3日コース(水木金)は同じ曜日に通う生徒が固定なので、自然に友達ができました。運動会や文化祭は規模も大きくて、クラス以外の生徒とも交流できる機会でした。他キャンパスの生徒とは掲示板でやり取りはできましたが、SNSの交換はNGだったので深い交流を行うことは難しかったです」サポート体制の手厚さNHK学園には多くの大人が関わっていて、生徒を支えてくれる環境がありました。担任の先生のみならず、進路指導専任の先生は予約制でじっくり相談くれて、志望理由書の添削などもしてくれました。また、NHK学園に特徴的なのはあすなろカフェの存在です。あすなろカフェは進路に感じて気軽に話したり相談したりできる居場所です。教員免許を持たないスタッフもいて、お菓子やお茶を楽しみながら気軽に相談できたそうです。「進路指導をしてもらうだけでなく、なんでも相談することができました」と彼女は振り返ります。不満や感じた課題NHK学園に在籍していて大きな不満はなかったそうですが、次のような点は少し物足りなさを感じたと言います。・部活動が少なく、あっても活動していない部も多かった・他キャンパスの同級生とは実際に顔を合わせる機会がなかったとはいえ、全体としては「学習面でも友人関係でも満足していた」とのことでした。進路と家族の支え服飾関係のことをもっと学びたいという思いから、服飾系の大学へ進学しました。進学のための準備も、両親が一緒に考えてサポートしてくれたそうです。保護者の方のサポートについては、通信制高校探しに協力してくれたそうです。NHK学園のパンフレットを持ってきてくれたのもお母さまで、金銭的な心配はしないでいいと言って支えてくれたそうです。これから通信制高校を考える人へのアドバイス最後に、これから通信制高校を選ぶ人へのメッセージを伺いました。「通信制高校に通う方は、精神的や体力的に不安な方が多いと思うのでサポート体制はよく調べたほうがいいと思います。サポート校と通信制高校に通うより、通信制高校単体で完結する形の方が通う場所も少なく経済的にも安心だと思います。」彼女がNHK学園国立本校を選んだ理由は、施設が充実していることと、学校行事の豊富さでした。週3日の通学と興味を持っていた服飾の両立、手厚い進路指導や相談体制によって、高校生活を送り、大学進学という道を切り開きました。通信制高校には多様な形がありますが、「どんな環境でどんな人と関わるのか」をよく見て選ぶことが大切だと教えてくれる体験談でした。