厳しい進学校での圧力
彼女が最初に通っていたのは、地元でも有名な進学校でした。朝課外の授業があり、朝7時半には授業が始まるため、毎朝5時に起きて通学していました。
「文武両道が当然」という校風のもと、体育祭や野球部の応援練習も強制的に参加する雰囲気。常に全力で頑張ることを求められ、息をつく暇もなかったといいます。
「間違えると先生に馬鹿にされるような空気があり、常に緊張していました。睡眠時間も削られ、体調を崩す日が増えていきました」と彼女は振り返ります。
また、進学校の雰囲気と自分の将来とのギャップもあり、将来のことで悩むようになっていきました。
「元々イラスト方面の職業に就きたいと考えていたので、難関大学を目指すのが当たり前という圧をかけてくる進学校の環境にストレスを感じていました。それで自分の将来を前向きに考えることができませんでした。」
授業中も集中できず、次第に登校が苦痛になっていきました。クラス内には心を許せる友人もおらず、孤独の中で自己肯定感がどんどん下がっていきました。
高校1年の1月下旬、ついに不登校となり、2月にはメンタルクリニックで「抑うつ神経症」と診断されました。
「もうこのままでは壊れてしまう」と感じた彼女は、母親に学校を辞めたいと伝えました。母親はすぐに通信制高校を調べ、いくつかの学校を一緒に見学してくれたといいます。
イラストを学べる環境と、心を受け止めてくれた先生との出会い
当時の彼女は、将来イラスト関係の仕事に就きたいと考えていました。
そのため、いくつかの通信制高校を比較検討した結果、最も魅力を感じたのがヒューマンキャンパス高校 北九州学習センターでした。
「見学に行ったとき、担当の先生が私の話を本当に親身に聞いてくれました。泣きながら話す私に“無理しなくていいから、一緒に考えよう”と優しく声をかけてくださいました。」
他の通信制高校では事務的な対応だったり、話を深く聞いてくれなかったりした中で、この学校の先生の温かさが決め手となりました。
また、駅ビルの中にある通いやすい立地、明るく清潔な教室の雰囲気も安心感につながったといいます。
入学後は「イラストコース」に所属し、週1日からの通学をスタート。授業はコース生徒が少なく、先生との距離も近く、リラックスして学ぶことができました。
「いい意味で先生っぽくない先生が多くて、授業中も笑いが絶えませんでした」と彼女。
また、同時期に転入した生徒を対象にしたオリエンテーションで隣になった生徒と自然に仲良くなり、初めて「学校で安心できる友人」ができたといいます。
通信制高校ならではの自由な学び方
ヒューマンキャンパス高校の魅力のひとつは、柔軟な通学スタイルです。
彼女が在籍していた北九州学習センターでは、授業は対面中心で行われ、課題提出や連絡などのサポート体制が整っていました。
入学時には、生徒と保護者が学習センターの公式LINEアカウントを登録して、先生からの連絡やお知らせ、相談対応などをLINEで行っていました。
「先生が“困ったことがあればいつでもLINEしてね”と言ってくれたので、とても安心感がありました。」
通信制高校では、レポートやメディア学習をコツコツ進めていれば、登校日数を自分の体調や生活リズムに合わせて調整できます。
彼女は、自宅で落ち着いて勉強を進めながら、必要なスクーリングに参加するスタイルを選びました。
スクーリングは全科目が対面で行われます。北九州学習センターの生徒は、体育以外の科目スクーリングを1時間ほどかかる福岡学習センターで受ける必要がありました。
また、卒業までに必ず1度、沖縄県の本校で行われる「本校スクーリング(合宿形式)」に参加しなければならない決まりがあります。基本的には高校2年生で参加しますが、事情がある場合は別の機会でも参加可能です。
「合宿スクーリングは朝から晩まで対面の授業が詰まっていて、修学旅行のような観光はほとんどできませんでした」と彼女は話します。
大学進学を決意。AI大学進学コースへの転換
高校2年の秋、彼女の中で変化が生まれました。
「イラストを描くのは楽しかったけれど、将来の現実も見え始めて、安定した仕事に就きたいと考えるようになりました」と彼女。
先生に相談し、イラストコースから「AI大学進学コース」へ変更。週4日の通学に増やし、本格的に大学受験に向けた勉強を始めました。
学習センターには大学進学コースの生徒が少なく、1クラスあたりの人数も少なかったため、先生からきめ細やかな指導を受けることができました。
ただし教員が全教科そろっているわけではなく、国語や小論文の授業は別県の先生とZoomでつなぎ、リモート授業を受けることもありました。
「先生方はみんな親身で、模試の結果をもとに“次はここを伸ばそう”と具体的にアドバイスしてくれました。」
また、大学進学コースでは履修科目数の制限があり、彼女は「前籍高ですでに取得している」と伝えたものの、学校のカリキュラム上強制的に履修させられたことに不満も感じたといいます。
それでも、全体的には「自由度の高さと先生の温かさ」で大きな満足感を得られたそうです。
大学合格、そして前を向いて歩き出す
高校3年の冬、公募推薦で北九州市立大学に見事合格。
「不安でいっぱいでしたが、先生が“絶対大丈夫だよ”と励ましてくださって、その言葉が支えになりました。」
合格を報告した際、先生が涙を流して喜んでくれたといいます。
「そんなに喜んでくれるなんて思っていなくて、本当にうれしかったです。」
通信制高校での2年間は、彼女にとって“立ち止まることを肯定してくれた時間”でした。
全日制高校では「頑張ることが当然」と言われ続け、常に誰かと比べて生きてきた彼女が、初めて「自分のペースでいい」と思えた場所だったのです。
通信制高校を考える人へのメッセージ
「通信制高校は、“行かない”と“行けない”の間で悩んでいる人にこそ知ってほしいです。自分のペースで学べる環境があるだけで、心が本当に楽になります。」
また、学校選びについてはこう語ります。
「途中で自分の気持ちが変わっても柔軟に対応してくれる学校を選んでほしいです。私はコースを変更しましたが、先生たちが背中を押してくれたからこそ、大学進学を実現できました。」
通信制高校での学びを通して、彼女は「立ち止まってもいい」「自分のペースで生きていい」という実感を得ました。
大学では心理学や社会学など、人文系の学問を探求しています。
まとめ
全日制高校で心身をすり減らし、不登校になった彼女。
しかし、ヒューマンキャンパス高校 北九州学習センターで出会った先生方の温かさと、自分のペースで学べる環境が、彼女に再び未来を信じる力を与えました。
通信制高校は、単なる「逃げ場」ではなく、「自分らしい生き方を再構築できる場所」。
彼女の歩みは、そのことを静かに、しかし力強く教えてくれます。

