通信制高校の基本的な仕組み
通信制高校は自分のペースで学べる「単位制」
通信制高校は全日制・定時制と異なり、多くが単位制を採用しています。
単位制とは、「毎年必ず決まった学年に進級していく」のではなく、必要な単位を計画的に積み上げていく仕組みです。
そのため、学年で一括して進級・留年を決めるのではなく、
・自分のペースで少しずつ学ぶ
・得意科目を先に進める
・苦手科目を後回しにする
・もし単位を落としても来年度以降何度でも再取得可能
といった柔軟な学び方が可能です。ただし定められている72単位が取れないと卒業はできないため、計画的に学習を進める力は必要です
卒業には対面授業「スクーリング」が必要
通信制高校の多くは、毎日登校する必要はありません。
しかし、スクーリングと呼ばれる面接指導(対面授業)は必ず出席が必要です。
スクーリングの頻度は学校によって異なり、
・年間数日〜10日程度
・月1〜週1など定期的に通うタイプ
などがあります。
このスクーリングでは、
・実技科目(体育、美術など)の授業
・レポート内容の補足解説
・定期試験
などを受けます。
卒業に必要な3つの条件
では、通信制高校を卒業するには具体的にどんな条件が必要なのでしょうか?
文部科学省の定める高校卒業の要件は、通信制でも共通しています。主に次の3つです。
① 必要単位の修得
高校を卒業するには、合計74単位以上を取得しなければなりません。
(※転入・編入などの場合は、前籍校で取得した単位も合算できます)
内訳の例:
・国語・数学・英語など必履修科目
・選択科目(情報、芸術、家庭など)
・特別活動(年間30時間程度)
1科目2単位〜4単位が多く、3年間で計画的に履修していきます。
② レポートの提出・合格
通信制高校の学習の中心はレポート(添削課題)です。
・教科書・動画授業・教材を使って学習
・問題を解いて提出
・担任や指導教員が添削・返却
レポートは合格しないと単位認定されないため、計画的に進めることが重要です。
最近ではレポートをスマホやタブレットで提出する、オンラインで学習できる通信制高校が多くを占めています。
③ スクーリングへの出席
前述のように、決められたスクーリング日数に出席することが条件です。
欠席が多いと、単位認定されず、再履修が必要になる場合もあります。
実際の卒業率はどのくらい?
通信制高校の卒業率は、全日制と比べると低めです。
・全日制高校:約95%
・通信制高校:約40〜50%
かなり低いと驚くかもしれませんが、これは「単位制」という枠組みが関係しています。通信制高校は単位制であるため「在籍卒業率(在籍している生徒数に対する卒業生の割合)」という考え方をもとに計算しています。そのため数値上は半分弱しか卒業できていないように見えますが、実際は在籍者の半分程度が一年に卒業できているということになります。
その代わり、通信制高校では退学率という指標を使うと比較しやすくなります。
全日制高校→1.1%前後
通信制高校→5.5%前後
全日制高校よりも通信制高校の方が退学率が高くなるのは
・仕事や家庭の事情で学習継続が難しくなる
・病気やメンタルの不調で休学
・他の学校に編入・転学
・高卒認定試験に切り替える
といった理由も多く含まれています。
通信制高校を「卒業しやすく」する工夫
個別指導・担任制でのサポート
多くの通信制高校では、担任や進路指導の先生が
・レポートの進め方
・学習スケジュールの管理
・生活面の相談
などをサポートしてくれます。しかし、学校によって先生が担当する生徒数は大きく異なります。単位取得が不安な方は個別支援やメンター(担任の先生以外の学校職員)の支援を受けられるか確認しましょう。
また、心理的なサポートを行うスクールカウンセラーや、制度面の支援を行うスクールソーシャルワーカーが在籍する通信制高校もあるので、高校生活に不安がある人はカウンセラー等のサポート体制を調べることをおすすめしています。
スクーリングを楽しく工夫
スクーリングは基本対面で授業や試験を受けるものですが、体育祭や文化祭、合宿型スクーリングなどを取り入れて、友だちを作ったり、学校への愛着を深めることができる通信制高校もあります。
例えばN高等学校は在学中に沖縄伊計本校へのスクーリングが必須となっています。沖縄伊計本校のスクーリングではマリンスポーツやエイサー鑑賞、沖縄の伝統工芸制作を体験することができます。
通信制高校を卒業するために大切なこと
・計画的にレポートを提出する
・スクーリングをしっかり出席する
・困ったらすぐに担任の先生やメンターに相談する
通信制高校は「自分で学ぶ力」も必要ですが、学校の支援を活用すれば心配なく卒業できます。
卒業できる不安に思っている方こそ、学校説明会や体験入学で、実際の学び方を確かめてみてください。
安心できるサポート体制や自分に合う学校や方法が見つかるはずです!

