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発達障害の特性で選ぶ通信制高校【ADHD・ASDのための学校選びの観点 】

2026年1月17日

発達障害の特性で選ぶ通信制高校【ADHD・ASDのための学校選びの観点 】

従来の教育システムでは得られなかった「柔軟な学び」を実現できる通信制高校。発達障害を持つ生徒の1つの選択肢ですが、単に「自由であること」だけでは十分ではありません。 重要となるのは、個別の特性に対して「どのようなアプローチ」が「どの程度の頻度」で行われるかという具体的な仕組みです。 本記事では、学校説明会や個別相談の場で、支援体制の質を深く見極めるための「5つの観点」を解説します。サポート体制を確認するためのバイブルとしてご活用ください。

1.  ADHD(注意欠陥・多動性障害)を持つ生徒のための学校選びの観点

ADHDの特性(不注意、衝動性、多動性)によって、学習のペースを管理しにくかったり、集中力が続きにくいことがあります。特に通信制高校では自分のペースで学習を期日までに進めないと単位が取得できないため、自己管理能力が必要になります。

そのため自己管理することが苦手な方は、学習の「管理」を学校の仕組みや先生の「伴走支援」で補うことができる学校を選ぶことがおすすめです。


①進捗管理とフォロー体制

「忘れっぽさ」や「集中力を継続しにくい」方は、学校の仕組みでカバーし、先生が諦めずに伴走する体制が必要です。

・進捗管理の可視化と保護者への共有

レポートの提出期限、課題の進捗率、スクーリングの残日数などが、生徒自身だけでなく、保護者もリアルタイムで確認できるデジタルシステムが導入されている学校だと、保護者も一緒に確認して課題提出をすすめることができます。そういったシステムがあると「今、何をすべきか」を視覚で把握できるため、優先順位をつけて取り組みやすくなります。


「進捗管理ツールがあって、僕ら保護者も娘の学習状況を共有できたんです。あれで安心して見守れました。」 (N高・保護者)

「課題や出席が見える化され、遅れが出ても立て直す順番がはっきりします。」(第一学院高校・卒業生)

定期的な声かけとリマインドの頻度

「困ったときだけ相談する」学校ではなく、担任やメンターから、提出期限前に必ず個別の声かけ(電話、チャット、アプリの通知など)がどのくらいの頻度で行われるかを確認します。生徒が自主的に相談しなくても、学校側から積極的に関わり、孤立を防ぐ「伴走型のサポート」があると学習を継続しやすいです。

「困ったときや課題の進むペースが遅いときは、先生が電話をかけてくるので自分がどの辺にいるのか焦ったほうがいいのかなどが分かるので助かる。」(ルネサンス高校・卒業生)

・学習のスモールステップ化

レポートの量や提出する頻度は学校によって全く異なります。難易度の高いレポートを一度に全て提出させるのではなく、「単元ごとに分割して提出」「短い動画を視聴するごとに小テスト」など、スモールステップで提出できる学校だとハードルが低く、できそうなところから取り組みやすくなります。このようにして成功体験を積み重ねられるシステムだと、目標達成への道のりが明確になり、学習の飽きや途中の挫折を防ぎやすくなります。

②集中しやすい学習環境の選択肢

刺激に敏感で集中力が途切れやすい特性がある方は、キャンパスやスクーリング会場で物理的・時間的に環境を調整できるかを確認しましょう。

・個別ブースまたは自習室の利用

登校時に、周囲の生徒の動きや音といった外部からの刺激を遮断できる、仕切りのある個別ブースや静かに集中できる専用の自習環境が整備されているか。また、その利用が柔軟に認められているかも重要です。

「良かった事は一蘭のラーメンみたいに仕切りが設けられた勉強スペースがあった事。1人の子もいたのでポツンと一人でいても孤立している感じが無かった。」(第一学院高校・卒業生)


「登校した際に個別ブースのような自習スペースが充実していたことです。他の生徒と適度な距離を保ちながら、自分のペースで学習に取り組める環境でした。」 (名古屋みらい高等学院・卒業生)

・授業形式の多様性

長時間にわたる一方的な講義形式だけでなく、短時間で完結するオンライン動画授業(オンデマンド)や、先生と1対1で深く向き合える個別指導など、飽きさせない工夫や、生徒の集中力のリズムに合わせた授業形式があるか。

・運動性への対応と休憩の取り方

授業中に席を立つ、廊下を歩くといった軽い多動や衝動的な行動を一定程度許容するなど、教室ルールに柔軟性があるか。また、短い休憩時間や、衝動的なエネルギーを安全に発散できる(例:運動スペース、静養室)場が用意されていると尚いいでしょう。

2.  ASD(自閉症スペクトラム障害)を持つ生徒のための学校選びの観点

ASDの特性(対人関係の困難、変化へのこだわり、感覚過敏)を持つ生徒は、環境から受けるストレスや不安の対策をしている学校を選ぶことがおすすめです。また、「心理的安全性の確保」と「支援の構造化(予測可能で具体的であること)」も大切です。

①予測可能で構造化された学習・生活環境

曖昧さや予測不能な事態は強い不安とストレスにつながるため、すべての情報が具体的で明確に整理されているかを確認しましょう。

・ルーティンとルールの徹底的な明確化

一日のスケジュール、レポートの形式と提出場所、先生との連絡方法、欠席時の手続きなど、すべての学校生活のルールが、具体的に言語化・視覚化(図やマニュアルなど)されているか。「常識」や「暗黙の了解」に頼らず、曖昧な指示を避ける姿勢があるかを確認します。

・事前の情報共有の徹底

 予定や変更点がある場合、生徒が事前に内容を把握し、心の準備ができるよう、どれくらい前に、どのような手段(メール、アプリ通知など)で情報が共有される仕組みがあるか。急な予定変更を避ける配慮がされているか。

② 対人関係・集団行動のストレス軽減策

集団のプレッシャーや交流の苦手さから生じるストレスを、学校側が積極的に取り除いているかを確認します。

「みんな単位を取るために勉強をしに来ているという感じだったので、友達が居なくて、ひとりぼっちで居ても浮かない状況が私にとっては心地が良かったです。」(仙台育英高校通信制・卒業生)

・別室/個別学習スペースの柔軟な利用

集団や騒がしい場所が苦手な生徒が、登校時やスクーリング時に、周囲から切り離された静かな別室や個別ブースで学習できるよう、柔軟に場所の配慮があるか。また、その利用を求める際に特別な申請や理由の説明が必要かどうか、心理的なハードルが低いかが重要です。

「やはり教室で勉強出来ませんでしたが、先生が廊下に机を置いて下さってそこで授業を受けました。友達も、みんな親切にしてくれました。」 (勇志国際高等学校 ・卒業生)

・行事参加の強制排除

集団で行動することが特に苦手な場合は、文化祭、体育祭、修学旅行などの行事がすべて任意参加であるか。集団行動を無理強いされない心理的安全性の高い雰囲気が学校全体にあるかを確認しましょう。


「行事の参加も自由なので出たいやつだけ出るのもいいという、柔軟なスタイルが良いなと感じました。子供も、強制ではないという点で気持ちが楽で参加してみようと思えたようです。」(ルネサンス大阪高校・卒業生)

・SST(ソーシャルスキルトレーニング)の有無と活用

 通信制高校、特にサポート校だと対人スキルを習得するための専門的なプログラム(SST)がカリキュラムに組み込まれている場合があります。単にプログラムがあるだけでなく、個々の生徒の目標に合わせて、それをどのように学習計画に組み込んでいるかを具体的に確認しましょう。

③感覚特性への具体的な配慮

聴覚・視覚・触覚などの感覚過敏は生徒の日常的なストレス源となります。これに対する具体的な対応策があるかを確認します。

・感覚過敏への対応の実例

 照明の明るさや色温度の調整、騒音の少ない場所の提供、特定の素材の制服着用免除(私服登校の容認)など、生徒の感覚特性に合わせた具体的な配慮の実例を尋ねましょう。学校側が感覚特性への理解を持っているか、形式的でない対応が可能かを見極める重要なポイントです。


まとめ 特性を理解し、得意を伸ばす環境を

発達障害を持つ生徒の学校選びは、お子さまの特性が引き起こす「最大の問題」を、学校が最も得意とする「仕組み」と「人の伴走」で解決できるかが成功の鍵です。

学校説明会や個別相談の場では、本記事の具体的な観点を参考に、「もし〇〇という問題(お子さま固有の課題)が起きたら、御校は具体的にどのように対応してくれますか?」と、一つひとつ深く掘り下げて質問してください。その回答の具体性と、先生方の当事者理解の姿勢こそが、お子さまにとって「最も安心できる環境」を見つける確かな指標となります。

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